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<ノロウイルス 5つの予防と対策>

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ノロウイルスとは

ノロウイルスとは、感染すると1日~2日程の潜伏期間ののち、ノロ
ウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒を発症します。
ノロウイルスは口から入り腸管で爆発的に増殖し、激しい嘔吐や下痢、
そして腹痛や吐き気、発熱(38℃位~)などの症状にみまわれるの
がノロウイルスの特徴でもあります。
大半の人は軽症で回復できますが、子供や高齢者、また免疫力や抵抗
力が弱っている人などは重症化することも多くあります。

そして、このウイルスは感染力も非常に強く、二次感染の恐れが多く、
その対処にも十分な注意が必要です。
このノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、年々増加傾向にあ
り、時期は年間を通して発生していますが、秋から冬が特に多く発生
しています。

ノロウイルスの感染経路かんせんけいろ (説明文せつめいぶん

ノロウイルスの感染経路図

    ノロウイルスは、手指や食品などを介して少ないウイルス量で感染するので、

    注意が必要です。




ノロウイルス感染者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐物などを処理す
   る際に、手指などを介して感染した場合。

ノロウイルス感染者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐物などを処理す
   る際に、処理残しがあり、それらが乾燥して空中を舞ったりして、さまざまな所
   (カーペット、床、テーブル、タオル、手で触るところ全般など)に付着し、
   それらを手指などを介したり、空中から吸い込んだりして感染した場合。

食事を作る人や食品を製造する人などがノロウイルスに感染していて、その人を
   介して汚染された調理台や調理器具などを使用したり、汚染された食品を食べた
   場合。

ノロウイルスに汚染されていた二枚貝(カキ、シジミ、アサリ、ホタテなど)等
   を生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合。

ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合。

ノロウイルスの症 状しょうじょう対処法たいしょほう (説明文せつめいぶん

ノロウイルスの症状と対処法の図
症 状

ノロウイルスに感染し、潜伏期間(1日~2日程)を経て発症すると、主に嘔吐、下痢、
腹痛、吐き気、発熱(38℃位~)などの症状が出ます。
通常、これらの症状が1日~2日程続いた後、治癒し、後遺症もありません。
また、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。

健康な人の場合は軽症で回復しますが、子供や高齢者、免疫力や抵抗力が弱っている人な
どは重症化したり、吐いた物を喉に詰まらせて窒息したり、吐いた物を誤嚥することによ
る誤嚥性肺炎などにより死亡することもあり注意が必要です。

さらに、このウイルスは感染していても嘔吐や下痢などの症状を示さない「不顕性感染ふけんせいかんせん
の場合もあり、気付かないうちに感染源になっている場合もあるため、食事を作る人や食
品を製造する人などは特に注意が必要です。

また、下痢などの症状がなくなっても、通常では1週間程度、長い時には1ヶ月程度ウイ
ルスの排泄が続くことがあるので、症状が改善した後も注意が必要です。



対処法

現在、ノロウイルスにはワクチン(予防薬)や効果のある抗ウイルス剤(治療薬)がないた
め、通常、対症療法が行われます。
脱水症状を起こしたり、体力を消耗しないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。
症状がひどい場合は病院での治療が必要になります。
止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので、使用しないこ
とが望ましいでしょう。
症状がひどい場合や改善しない場合、または悪化する場合は、すぐに病院を受診して下さい。

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ノロウイルス 5つの予防よぼう対策たいさく

予防よぼう効果的こうかてき手洗てあらいの手順てじゅん

手洗いをする意味とは

手指に付着したノロウイルスを減らすのに最も有効的な方法は手洗いです。

石けん自体にはノロウイルスを直接失活化(ウイルスの活性を失わせることを失活化といいます)する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

ただ何となく手洗いをしていても効果はありません。ノロウイルスは非常に小さいウイルスのため、手のしわ深くにまで入ってしまうため、念入りに手洗いをする必要があります。

外出先から帰った時やトイレに行った後はもちろんのこと、調理を行う前や食事の前、ふん便や吐物を処理した後などは必ず手洗いをする習慣をつけましょう。

また、手洗い後のタオル等は、ペーパータオルにするか、個人別タオルを使用するなどし、共用せず、常に清潔なタオルを使用しましょう。



汚れの残りやすいところ
・指先、指の間、爪の間
・親指の周り
・手首、手の甲
・手のしわ
チェック
・指輪、時計などははずしましょう
・爪は常に短く切っておきましょう
からまでの手順をくり返し、2度洗いすることで、ウイルス除去効果が高まります
手洗いの手順



流水で軽く汚れを落とすように手を洗う
石けん及びハンドソープを手の平につける
手の平と手の平をこすり、よく泡立てる
手の甲をもう片方の手の平でよくこする(両方する)
両手の指を組み、指の間と付け根までよくこする
親指をもう片方の手で包み込んで、よくこする(両方する)
指先はもう片方の手の平を掻くように、よく洗う(両方する)
手首をもう片方の手で握り、回しながらよく洗う(両方する)
流水でよく手をすすぐ
ペーパータオル等を使い、よく水気を拭き取り乾燥させる

次亜塩素酸じあえんそさんナトリウム消毒液しょうどくえき作り方つく かた

ノロウイルスを殺菌するには

一般的な感染症対策としては消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウムや加熱による処理があります。

市販の代表的な次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用塩素系漂白剤でも代用ができます。
(市販の代表的な家庭用塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウム濃度は約5%)

下記に、市販の代表的な家庭用塩素系漂白剤とペットボトルを使った次亜塩素酸ナトリウム消毒液が簡単に作れる作り方を紹介していますので、参考にしてみて下さい。
その際、作った消毒液は使い切り、必要な時に毎回作るようにしましょう。

また、次亜塩素酸ナトリウムは金属類の腐食性がありますので、消毒後の薬剤の拭き取りを十分にすることと、繊維類を漂白する作用がありますので、使用場所には十分に注意して下さい。



次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方

<用意しておく物>
・使い捨ての水を通さない手袋
・綺麗な500mlペットボトル
・綺麗な500mlペットボトルのキャップ(このキャップ一杯が約5ml)
・水
・次亜塩素酸ナトリウム濃度5%を含む家庭用塩素系漂白剤
 (濃度により希釈方法が変わってしまうため、濃度を必ず確認してから使用しましょう。)



[表1] 次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方と濃度表

番号 用途 塩素濃度 消毒液濃度 希釈倍率 作り方
・衣類や布団
 のつけ置き
・ドアノブ
・テーブル
・イス
・日用品など
200ppm 0.02% 250倍

500mlペットボトルの水に対し
 2mlの塩素系漂白剤(キャップ約半分)
・ふん便や吐
 物が直接付
 着した床や
 トイレなど
1000ppm 0.1% 50倍

500mlペットボトルの水に対し 
10mlの塩素系漂白剤(キャップ約2杯)

※塩素系漂白剤の使用は、必ず「使用上の注意」をよく読んでご使用ください。

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ノロウイルスによる食 中 毒しょくちゅうどく予 防よぼう対 策たいさく

ノロウイルス食中毒を防ぐには


ノロウイルス食中毒を防ぐには、『食品を扱う人や調理器具などからの二次汚染を防止すること』や『加熱が必要な食品は中心部までしっかりと加熱すること』が重要です。


食品を扱う人の注意点
ノロウイルス食中毒では、食事を作る人や、食品を製造する人などがノロウイルスに感染していて、その人を介して食品を汚染してしまい、多くの人を感染させてしまう危険性があります。

食品への二次汚染を防止するためにも、食品を扱う人は、日頃から自分自身の健康状態を把握し、下痢や嘔吐、風邪のような症状などがある場合には、調理施設等の責任者にその旨をきちんと伝え対処しましょう。

また、このウイルスは感染していても症状を示さない不顕性感染の場合もあり、食品を扱う人は、生活環境においてノロウイルスに感染しないように、常日頃から手洗いを徹底するなど自覚を持つことも重要です。


調理器具などの殺菌方法
ノロウイルスに汚染された調理台や調理器具のノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウムや加熱による処理があります。

一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられていますが、ノロウイルスには効果がありません。

調理器具などは洗剤等を使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことで、ウイルスを失活化できます。

また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。

なお、二枚貝等を取り扱うときは、専用の調理器具(まな板、包丁等)を使用するか、調理器具を使用の都度洗浄、熱湯消毒する等の対策により、他の食材への二次汚染を防止するよう、特に注意するよう気を付けましょう。そして、乾燥させた後、衛生的に保管しましょう。


食品の加熱処理
一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる
(失活化といいます)有効な手段です。

ノロウイルスの汚染のおそれがある二枚貝(カキ、シジミ、アサリ、
ホタテなど)等の食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒
以上の加熱が望まれます。

また、子供や高齢者、免疫力や抵抗力が弱っている人などは、特に
注意しましょう。 食中毒を
 防ごう!

ノロウイルスによる感染性胃腸炎かんせんせいいちょうえん予防よぼう対策たいさく

二次感染を予防するには

家庭内等でノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐物からの二次感染を予防する必要があります。

ふん便や吐物の中には大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。

また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中を漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐物やふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理する際に使用した手袋等にも感染力の強いウイルスが残っている可能性がありますので、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。

処理した後はウイルスが屋外に出ていくよう空気の流れに注意しながら十分に換気を行うことが感染防止に重要です。



用意しておく物
・使い捨てのマスク
・使い捨ての水を通さない手袋
・使い捨ての水を通さないエプロン
・ビニール袋
・拭き取り用のペーパータオル又は布
・消毒用のペーパータオル又は布
・水拭き用のペーパータオル又は布
・次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)
・その他必要に応じて用意
チェック
・汚物の近くには処理する人以外は近づけない

・処理残しのないように注意する

・処理後はしっかり手洗いをする

・処理後はウイルスや塩素系の臭いが屋外に出
 ていくように換気をしましょう
床等に飛び散った吐物やふん便の処理方法



マスク、手袋、エプロンを着用する

ビニール袋を二重にしておき、内袋に次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)を適量入れておく
 (適量目安:使用するであろうペーパータオル等に全体的に染み込ませることのできるくらいの量)

別のビニール袋に次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)を染み込ませたペーパータオル等を用意しておく
 (消毒時に使用する)

汚物をペーパータオル等で静かに拭き取る

拭き取ったペーパータオル等をで用意しておいたビニール袋に入れる

消毒するため、汚物を拭き取った床等や周辺をで用意しておいたペーパータオル等で拭く
 (消毒した所が金属等の場合は腐食する場合があるので、全て(まで)の処理が終わった後に、
   水拭きをして下さい)

拭き取ったペーパータオル等をで用意しておいたビニール袋に入れる
 (その際、で用意して残ったペーパータオル等やビニール袋も一緒に入れる)

二重にしていた内側のビニール袋を縛ります

手袋、マスク、エプロンをの上に入れます
 (その際、汚れている面を触らないよう、気を付けましょう)

二重にしていた外袋を縛り処理します
 (その際、中の物を触らないように縛って下さい)

終わったら、丁寧に手を洗いましょう



布団などの寝具や衣類に吐物やふん便が付着した場合の処理方法

用意しておく物
・使い捨てのマスク
・使い捨ての水を通さない手袋
・使い捨ての水を通さないエプロン
・ビニール袋
・洗剤
・次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)
・熱湯
・たらい、容器
・その他必要に応じて用意
チェック
・素材に応じて消毒方法が違うので注意
 して下さい

・処理後はしっかり手洗いをする

・次亜塩素酸ナトリウムは漂白作用があ
 るので、色柄物は色落ちするので注意
 して下さい




マスク、手袋、エプロンを着用し、ビニール袋を用意しておく

付着した汚物中のウイルスが飛び散らないようにたらい等に入れる

 の中に水と洗剤を入れ、静かにもみ洗いしてすすいで下さい

下洗いした寝具等は素材により、熱湯消毒もしくは次亜塩素酸ナトリウムにて消毒する
   ・熱湯消毒:85℃で1分以上熱湯消毒する
   ・次亜塩素酸ナトリウム(200ppm):10分以上浸したあと、十分すすぐ
   布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、85℃以上のスチームアイロンを直接布団などに
   当てず、少し浮かした状態で使用すると良いでしょう
  (スチームアイロンを使用する際には、火傷等に十分に注意して下さい)

他の洗濯物とは分けて、いつも通り洗濯する

下洗いしたところや、たらい等は次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)にて消毒後、洗剤を使って掃除する

 で用意しておいたビニール袋に、マスク、手袋、エプロンを汚れている面を触らないようにビニ
  ール袋に入れ処理する

終わったら、丁寧に手を洗いましょう

洗濯が終わったら、よく乾燥させる

環境かんきょう(ドアノブなど)の消毒方法しょうどくほうほう

環境(ドアノブなど)の消毒方法


手で触るところ全般(ドアノブ、手すり、テーブルなど)は、ノロウイルスに汚染されている可能性がありますので、常に清潔にしておく必要があります。


用意しておく物
・使い捨ての水を通さない手袋
・消毒用のペーパータオル又は布
・水拭き用のペーパータオル又は布
・次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)
・ビニール袋
・その他必要に応じて用意
チェック
・処理後はしっかり手洗いをする
・次亜塩素酸ナトリウムの取り扱いの際
 には、塩素ガスが発生するので十分な
 換気を行いましょう
・次亜塩素酸ナトリウムには金属類、繊
 維類を腐食や漂白する作用があるので、
 使用場所には十分注意しましょう


手袋を着用する

ビニール袋を二重にしておき、内袋に次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)を適量入れておく
 (適量目安:使用するであろうペーパータオル等に全体的に染み込ませることのできるくらいの量)

別のビニール袋に次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)を染み込ませたペーパータオル等を用意しておく
 (消毒時に使用する)

 で用意した次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)が染み込んだペーパータオル等でドアノブ等を拭く
 (消毒した所が金属等の場合は腐食する場合があるので、全て(まで)の処理が終わった後に、水
    拭きをして下さい)

拭き取ったペーパータオル等をで用意しておいたビニール袋に入れる
 (拭き取りが全部終わったら、で用意して残ったペーパータオル等やビニール袋も一緒に入れる)

二重にしていた内側のビニール袋を縛ります

手袋をの上に入れます
 (その際、汚れている面を触らないよう、気を付けましょう)

二重にしていた外袋を縛り処理します
 (その際、中の物を触らないように縛って下さい)

終わったら、丁寧に手を洗いましょう

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更新:2016年10月5日